なかなか決まっとる映画でございます。黒澤も洗練され、全く無駄がない。これが元テレビドラマだなんて思えないほど黒澤のいいところが詰まっています。たまにこんなピシッとした作品を作るんだね。自由度の大きいホラーめいた作品が好きな私だが今回はブラボー!
この映画の解説は寒山拾得さんが述べられていますので、敢えて2番煎じはやめましょう。僕はやはり山中貞雄の引用部分が秀でていると思う。山中の無念が今でも映像の奥から聞こえてきそうだった。
また、戦時中の街中のモンタージュ。見事です。不気味でしかも美しい。どれを取っても絵画になっとります。
蒼井優は完璧すぎて、しばらくは30代の女性の役どころは誰も彼女に挑戦できないのではないだろうか、いいことなのかそうでないのか、、。
東出はしゃべり方さえ訓練すれば背が高いので映像に映える。映画に似合う俳優だ。初めて見た女優さんだけど、僕は玄里さんがはっとするほど気に入った。好みです。
後は、最初と最後で上映される私映画が短すぎることかな。2,3分ではね。でも久々に面白い映画でした。題材といい、主演女優のイメージといい、アン・リーの「ラスト、コーション」を思い出させる。
こんな映画を見るとホントご機嫌になります。
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