これはすごい。2時間、ずっと続く至近戦の迫力が圧倒的。通常の大爆撃ではなく、ほぼ見放された部隊がたった7人でロスを守り切るという手に汗握る濃度の濃い戦争映画になっている。
映画的には最初から敵のエイリアンが姿を現さない演出が憎い。しばらく出て来ないのでかなり不気味なのだ。そしてやっと現れたら金属昆虫っぽい、それでいて人間に似たエイリアンだ。その数多数。キモイ。
よくこの小部隊で持つなあと穿った見方もできるが、そこはアメリカ映画。あれほど無敵だったエイリアンがすこんすこんと倒される。(そのため一人のエイリアンを解剖し急所を突きとめるシーンがあるも、それにしても無敵だったエイリアンが急に弱くなるのはちょっと変かなあ、、。)
海兵隊のプロパガンダにしては良く出来た映画で、上司が、死なせた兵士のすべての名前、番号まで一人ずつ述べるシーンは感動篇。黒人女性兵士までが最後までみんなと生き延びるのもいいね。
そしてなんといっても、通常の映画とは違い、この映画はロスを何とか死守しただけなのだが、世界中ではまだまだエイリアンの侵入に遭遇中というラストは戦争映画というものに現実感と余韻を持たせ秀逸。このエイリアンはひょとしたら何か現代のわけのわからない悪をメタファーしている気もしないではない。さてそれは何か?
2時間固唾を飲んで見られる、この種の映画では白媚の出来だ。秀作。
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