超ベストセラー、ピアノコンクールものの映画化だ。何とも、恋があったり、よくありがちな諫め、嫌がらせなどが全くない真っ正直ないわゆる本格クラシック音楽映画なので、通常の娯楽を求めて映画館に来た観客は2時間どう過ごされたのであろうか、、。
と、マイナーな言い方をしておりますが、クラシック、特にピアノが好きな吾輩にとってはこの上ない非常に面白い映画でありました。4人の挑戦者の性格付けや色合もくっきりと明瞭に描かれており、少々単調な演出ではあるものの、オーソドックスなだけに逆に見ごたえもある。
また、ピアニストだけでなく、審査員の動向も興味深く描かれ、なかなか秋向けの格調高い映画でした。
原作を読んでいないので、なんとも言えないが、ピアニストたちの挑戦曲がプロコフィエフ2曲というのがなんだかなあ。超テク重視の曲なので、映画的、音楽的には盛り上がりを欠いた気もしないではない。(原作とは2番と3番を変えただけらしいので、現代ではこういう傾向なのかもしれないが、、)
俳優陣としては初見の鈴鹿央士は大物っぽく、画面を自分のものしてしまうスター性を持っている。松坂桃李、森崎ウィンはそつのない演技でしょうか。そして主役と目される松岡茉優は少々暗めの演技でこれもまあ及第点。
ただ、これだけの大作なんだが、日曜なのに観客席は空席が目立ちました、、。ふーむ。
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