名優5人、そしてオールロケ、俳優陣に重くのしかかる演技要求。そう、舞台を見ていると思えばこの作品、ぐっとくるんですが、これは映画なんだよなあ。映画だから、少なくともリアル感は必要だと思う。
主人公が認知症でほとんど一瞬しか理解できていない人間相手に、色濃く人生を殴り描いても、、。こういう言い方は好きではないんですが、リアルではなかったですね。小林の作家的思いは、観客の、少なくとも僕には伝わってこなかった。今までずっと彼の作品を見続けてきてこれは初めての経験であります。親近感がないというか、映像への移入に失敗した感じです。
結局、セリフの少ない順の、小林薫、 原田美枝子が一番まあ理解できるというか、一応納得できる役柄ではありました。黒木華さんの役柄はラストのあのシーンでエネルギー的なものも感じましたが、一番人工的な役柄で入れませんでした。
肝心の仲代さんはほぼ痴呆症を伴う人の演技だったので、何を見ればいいのか最後まで戸惑いました。設定は分かるんだけど、、。
恐らくこの映画は、通過点の映画だと思います。終わり切っていないです。不思議な映画です。
それにしても、僕の席の左隣の若い人。開始前からずっと寝ていたのにはびっくり。昔懐かしいオールナイト風映画館の使用方法にこちらが惑います。一秒も画面を見ていなかったですから。不思議な時間帯でした。
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