これは面白いね。刑務所の中って言うと、何か暗い退屈な、ながーい一日というイメージが付きまとうが、この映画なんか見ちゃうと立派に社会してると思ってしまう。刑務所に入っても実は社会から逸脱されていないのだ。そこには賄賂や権力で築き上げられた裏の縦社会が立派に存在する。
完全娯楽作だ。題名からちょっと難しいそうな映画だと思ったが、痛快なノワール映画だ。一人の青年が刑務所で生きてゆくため知恵を働かせのし上がってゆく。刑務所に存在する裏社会を武器に彼はどす黒く成長してゆく。ラスト近くの、ボスに楯付く辺りは爽快感さえ感じるほど。
彼が犯す様々な行動が全く罪に問われないのはいかにもの感もあるも、エンターテイメントだと思えばリズムは保っている。ラストの出所シーンも恐さとユーモラスを交え出色の出来だ。
やはり演出もさることながら主演の【タハール・ラヒム】の好感度と【ニール・アルストラップ】の巧さがこの映画を引っ張ってる。メジャー館で上映していないのが不思議だ。
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