みずみずしい、人生のなかでも浮き立つような色めくときの切り取られたトキを見せつけられるいい映画です。
少し目を離すとつじつまが合わなくなるようなあまり説明がない映像の連続なので、目をくぎ付けにしておく必要があるが、それでも通常の映画ではないことがすぐ分かる。ジョアンナの脳裏と観客は一体化し、流れは流麗である。それだけでも才能のある監督だということが窺える。
でも如何せん、私はこのような仕事というものをテーマにした現実からずうっと遠ざかっている。20歳前後の若者だったら、この映画が随分と身に染みるだろう。と、思う。私にはそんな距離感がある。
作品自体は秀逸である。途中で不意に現出する廊下全体のダンスシーン、ラストとサリンジャーが不意に現れるストップモーションなど、随分映画ファンを喜ばせてくれる。
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