いわゆる悪徳ものなんだよね。予告編のイメージとは180度違うこういう映画もまあ珍しい。それなのに、主人公にすり寄って行く我が心の哀しいことよ。この作品は観客の悪徳度を試す試験紙ではないのか、とさえ思ってしまう。
あの展開のまま最後まで嘘をつきっぱなしで後々に後悔の念にくれる男と、この映画のごとく最後にうっちゃって人生を取り戻す男を比べてどちらがいいかい、と比較する単純な浅い映画のようにも思えてくる。この映画を見ても荘快感はほとんど生じて来ないし(製作者の意図とは相違し)、どちらかと言うと僕にとって厭な映画なのである。
どうでもいいことだが、機長がオフィスに朝滑り込んで机に座るがごとく機長席にたどりつくなど、あまりに安易な描写にはいくら何でもとため息さえついてしまう。フライト前の打ち合わせはとても重要であり、飛行機会社を愚弄しているかのようにも思える。
これがゼメキスの久々の映画とはなあ、、。自分の汚れた心を知る試金石になったのは事実でありそのことは正直に告白しましょう。そういう意味でも後味のいい映画とは言えなかったのであります。
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