米澤 穂信のミステリーの、特に主人公がヤングのもののすがすがしさと言ったらほかに比類がない。ファンもすこぶる多いと思う。読んでいる間は清涼な風が吹いている。
とはいえど、あまり得意ではないお菓子系の題材である。全く分からずけれど知らない者としては意外とこういう高級菓子店などにも行くことはないだろうとは思うが、知識として知っておくこともまたためになるかもしれぬ。
小説としては机上の、ある意味あり得ない日常での謎解きである。でも面白い。登場人物がまだ我々のような汚れていない人物であることがまず素晴らしいのだ。ふと我々も一瞬、小説の世界に戻っているのである。
4編中、冒頭のやはり「巴里マカロンの謎」が面白さが充満し錯綜もし傑作。
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