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崖の上のポニョ (2008/日)(宮崎駿) 60点

2008-10-03 16:18:53 | 映画遍歴
正直に書きます。宮崎アニメは結構見てます。でも、こんな変なのは初めて、でしょうか。色々皆さんが書いていらっしゃいますので、書くこともなくなっていますが、だいたい宮崎には毒がふんだんにあり、どこに注入しようかなあ、という嗅覚を僕は感じてました。

で、この映画はその部分のオンパレードなのです。まあ、5歳の少年だからとか、親を名前で呼び捨てはいかにとかは置いといて、この映画には何かわけの分からない文明論が密やかにスポイトで一滴落とされています。冒頭のポニョが瓶に嵌ってしまうまでの海の投棄物の穢さ、そしてその描写。もう人間は行き着くところまでいっとる。もう、抹殺するしかない、といったこわーいイメージが浮かびます。

それって、聖書の神の意思ですよね。ノアの箱舟の話です。そんな尊大な匂いがまずぷんぷん臭います。あとは、人類の破滅までのハナシをポニョという人面魚を通して描かれているだけです。子供向けアニメという設定で、こういうカタストロフィを堂々と宗教風に描いていいのかどうか、という議論が必要なのかもしれません。

だいたい、アンデルセンの人魚姫の設定を借景にするなんてひどすぎる。人魚姫でもワイルドの幸福の王子でも自己犠牲が根にありました。人魚姫は好きな王子のために泡になって死んで行くのです。幸福の王子も最後は貴金属をすべて身体から剥がし愛するツバメと共に崩れるように死んで行きます。人のために身を挺するのです。そこにはエゴのかけらもありません。

母親までが老人と共に海に沈んでいます。歩けなかった老人がそこでは歩いています。凄くシュールなシーンです。怖いです。(まあ、最後には人間との協調というセリフで収めている感じはしますが、、)

映画を何本も見ていたらたまにこういう映画も見ますが、子供も大人もこぞって見ている映画で、何気なく変な臭気を出している映画というのは実に恐ろしい。

もし僕の感覚が間違っていればホントいいんですが、、。

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