話としては暗く陰惨であるはずなのに、自然とカメラワーク、そして5人の女性がまばゆく美しいので不思議とみずみずしい映像に満ち溢れた作品となった。
叔父はともかく祖母は10年間も普通に彼女たち孫を育てているわけで、これがトルコの辺境地では実際行われていることなんでしょう。そこには時代に伴わない若者たちの憤りが蔓延しているが、それらは例えば日本とは100年ほど時間のギャップはあれど、政治・経済そして文化の邁進とともに変化してゆくのではないか。
映画としては彼女たちの高ぶりゆく心の感情をそれほど激しく描いてはいず、むしろ客観的でさえある。だからこそ彼女たちの行動が僕たちの心を激しく動かせるのだろう。
しかし、ラストの懐かしき先生との邂逅は彼女たちにさらなる苦悩を与える予感がしてならない。この映画の怖いところでもある。それは現代トルコの実態を暗示してるように、、。
それでも思春期って初々しくその生命力と歓喜は洪水のように満ち満ちている。誰にでもある一瞬の一番美しい時よ。そんな切り取られた映像が甘美的に美しい。
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