いわゆるミステリーではないけれど、読み出すとガンガン心を揺すぶられ、一気に読んでしまう小説であります。自分の息子が事件に巻き込まれ帰ってこない。状況は加害者のようにも思えて来る。
さて、何不自由なく暮らしてきたこの家族はこれからどう生きてゆくのか、、。
父親、母親、妹、叔母、祖母、友人、マスコミ、警察それぞれの心理描写が絶妙である。身につまされるという表現がぴったりの心境でこの小説を読みました。
でも、ラスト近く明かされるあの切り出しナイフの引き出し。
息子が事件にかかわって帰って来ないあの状況。通常であれば、父親、母親は息子の手掛かりを探して、引き出しを開けるのではないだろうか、、。この1点がミステリー的にダメ出しをしてみたい気がする。
でもそれがこの小説のキーポイントなんだから、苦しいところでもありますが、、。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます