これは痛快なミステリー。これほど叙述を盛り込んだミステリーがあったか。確かに労作。これだけ大変な小説はふつうよほどミステリーが好きでなければ手掛けないものだ。
既成作家がこれに挑戦したことが見事であり、賞賛に値する。偉い。深水もミステリーオタクだったんだね。それが分かって嬉しい。そのうちこの気持ちが感動に至る。
最初から一気読みの語り口でこれは楽しい。結局15通りの犯人探しだったが、途中から少しダレてきたのが少々惜しい。(でもこれは僕の読み方がダレただけかもしれないが、、)
楽しくてページを繰るのがもったいなかったが、肝心の本筋のミステリーの解決篇があれでは、しょぼ過ぎるではないか。もっと強烈などんでん返しを期待していたぞ!その意味ではかなりげんなり。
でもここまで楽しませてくれたミステリーはそうそうないのだ。作品的には今年のミステリーのベストテンを賑わすことだろう。ぐつぐつ言わず面白いものは面白いと素直に褒めようぜ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます