いわゆる矢口モノはだいたい見ずも中味が推し量れる作品が多いが、この作品はまさに定石通りであり、展開そのものにも破綻は全くない、、。まずその点が僕としては不満。
染谷将太の最近の若者低落ぶりが最初はなかなかいい。でも山に入ってからコメディ演技をしているのが目に付く。この作品のテーマである自然との融解・邂逅と同じくもっと自然であって欲しかった。演技してるんだよなあ。いままでの作品とは別人見たいだったよ。
だからか、彼以外の役者に視線が移り気味。山そのものの朴訥さを表現した伊藤英明山の冷気。光石研の棟梁としての優しさ。近藤芳正のいい加減そうで実際は山を愛する指導員。純粋妻優香が目立っている。
肝心の染谷将太・長澤まさみの恋物語が全然感動的に盛り上がらないのだよ。この種の映画としてはこれは困ったことだと思う。そのあたり矢口史靖も少々この神聖なるロケーションで何か考えたか。
ところで入ってはいけない神聖な山の神は何と「女神」だったんだね。これはスゴイ!
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