ハナシは少女の青春記のような形式にはなっているが、その女性蔑視にただただ驚愕するのみ、、。
そういえばインドで少女がひどい目に遭っているという新聞記事を思い出す。何故同じ人間でありながらそういうことが可能なのか僕には不思議だったが、この映画を見るとその内実が分かるような気もする。
女性は車も乗れないから乗合タクシーのような代物と契約をする。男に見られないように顔を隠すというのは周知の事実だが、選挙権もないらしい。男の子が生めないとそそくさと夫は第二夫人と新たな結婚をする。
こういう男勝手社会が形成されている状況で、よく考えたらこんな都合のよい既得権を男が女性に渡すわけがないと思う、。現代においてこういう社会がまかり通っていること自体すごいことだと思う。そして我々があまりこのことに関心のなかったことにも、、。
とつべこべ書いているが、映画自体は別にこれらの不条理を声高に主張しているわけではない。一見どこにでもある少女の青春記なのである。しかし少女の日常を見ていると積み重なる哀しい女性史が怒涛のように観客に襲ってくる。
他国だからといってこれを見逃していいのか、といった憤懣も湧いてくるが、一縷の望みをけなげな少女にかけたい気もする。ラストの青い自転車に乗る少女の姿は未来のこの国への茫洋たる希望でもあるはずだ。
これぞ秀作。すばらしい。
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