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どこかでベートーヴェン(2016 宝島社)(中山 七里 著)  70点

2016-12-26 18:39:25 | 読書遍歴

大好きな岬シリーズ、しかも原点ともいえる高校生活に起こった殺人事件という見出しにファンはおののくはず。そしてしっかり即読んだ吾輩であります。

半分近くは殺人事件のかけらもない。あるのはいつも通り岬がピアノを弾くときのあの情緒たっぷりの解説である。これもだんだん慣れて来るとそのうち飛ばしたくなってくるから、僕は本当の七里ファンでないのかもしれない。

興味あるのは(ファンにとって)岬の描写がほとんどだから、といってもあれほどミステリー部分を簡単に描写し、簡単に犯人を設定してしまうミステリーも珍しい。そういう意味では、手抜きと言われても仕方ないのではあるまいか。

中山が今回チャレンジしてみたかったのは、「最後の一行でのアッと驚く驚異的なラスト」なんだろう。そしてそれには見事僕は引っかかった。そして確かに大いなる衝撃を受け、そしてにんまりもした。やられた。

でも、だからって、これほどミステリーを軽薄にした戦犯は許せないと思うのだ、、。


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