園子温のたまりまくったマグマを発散しちゃったらこうなるねん、とでも言いたそうな怪作。いやあ、面白かった。映画が好きなんだよね、園も僕たちも、そしてこの作品に出演した全俳優・スタッフたちも。もう1,2回見ないとどれがどの作品のオマージュか分らないほどスゴイ。
少しずつ振り分け置いていた伏線がラストに向かって糸を紡ぐように収束してくるところはさすが園が映画作家として一流であることを示す。ニヤニヤするほど楽しいのだ。映画を見ている間、ずっと僕はくすくす笑ったり、あっと奇声を発声したり、それはそれはいつもの自分ではないように思われるほど、ある意味わたくしは変身していたのでした。
映像の平田と同じく好きなものはやめられない。年を喰っててもあるはずのない夢を追って彷徨うのも映画青年(少年)の運命(さだめ)。そのために血は吹き出て、首は飛んでも致し方ない、本望の前にすべてふれ伏すのみだ。
僕が一番気に入ったオマージュシーンはミツコと公次の死にざまであります。まさに「俺たちに明日はない」のボニー&クライドそのままだ。荒くどぎつい映像の中に咲いた一輪の清純な花。素晴らしい。これが映画なんだよね。
この映画の出現で、もはや園子温はかの映画好き少年たるとされる北野武を超えてしまったといっても過言ではない。作りたいものがまだまだ充満している園子温。彼に僕は日本映画の永遠を見る。
セントさんに改名されて1年が過ぎてしまいましたね。
過ぎてしまえば時間の過ぎ去ることの早い事と思ってしまいます。
いやあ~、久しぶりに怪作と呼べる作品を見ました。
映画やってる人間は歳を取らないと言いますが、スタッフもキャストも皆映画青年だなと嬉しくさせられました。
あるいは羨ましくもあったのかもしれません。
さあ、ハミガキして、今日もがんばります!
小説でも映画でも自然発生的に作りたいものがいっぱいありそれを表現する。そういう作品はエネルギーに満ち溢れていますよね。
読者、観客はそれがよく分かると思います。
そういう意味で北野武は今きついかな、と思ってしまいます。好きな監督なんだけど、、。
それでは。芸術の秋を堪能してください。
この映画、もちろん気にはなっていたのですが、近くの映画館では夜しか上映しないので、DVDまで待とうかなとちょっとくじけそうになっていました。でも、セントさんのブログを見て、行かねば!と夕べ見に行って、もう大正解です。
見ている最中も、帰り道も多分ずっとニヤニヤしていたと思います。映画っていいなぁ、楽しいなぁ、監督も役者もスタッフも最高だなぁって。
観客は5人しかいなくて淋しかったです。満員の観客と一緒に笑ったり、アッと叫んだり、涙ぐんだりできたらもっと映画としての幸せを感じられた気がします。
あー、でも久しぶりに楽しかったなぁ。こんな感じ「キサラギ」以来かも。
そうですね。映画って、見ている間わくわくする映画が少なくなってきましたね。「きさらぎ」もわくわく映画で、映画の本質的なところを持っていた作品でした。
映画は本当にチカラを与えてくれます。
それを求めて明日もどこかの映画館に行ってます。
それでは、また。