原作はコミックなんだろうな。そのいいところが随所に出ていました。
この映画は2時間、観客を全く違う別の空間にいざない、そしてそこに監禁する。映画を見ている間は僕たちは全く現実のことを思い出さない。映像に没頭する。それだけの透明感、吸収力がそこにありました。
職人さんの話なんですね。でも某番組の「プロフェッショナル」なんかで感じる名人芸の極みのような人を寄せつけないものは存在しない。凛として何か日本人としての温かさがそこにはありますね。
でもそれは恐らく原作がコミックだからではないでしょうか。ふつう、映画にある程度感動し映画館を出たら、そこはかと何か自分自身に働きかける何かがあるものでしょうけれど、この映画にはそれがない。まるでアクション映画のような印象です。
見ている間、すっぽり没頭するけれど、あの神戸の歴史のある坂を歩んではいるけれど、映像という魔力から解放され現実に戻ると、すとーんと忘れ去ってしまうような、、。
でも映画って映画館で魔法にかかってしまうのが最良の映画だと思う。その意味ではこの映画はGoodだ。
何かところどころ現実感のある場面に違和感がある設定となっているが(女子高生たちが普通の服を欲しがったりとか、)それはまさに現実が夢の中に急に出現し、一瞬夢を醒まさせるからなのです。
彼女たちはだから本当は正しい。そして彼女たちが自分にも服を作ってくれなんて言うのは逆に嘘っぽく思える。
それにしてもあの元町大丸の前の灯りのたたずまいだとか、いつも行っているのにその古き良き街の良さになんで気づかなかったのだろう。そういうことも映像を通して教えてくれる作品だ。
でも最後に一言。あの喫茶店のチーズケーキ、大きすぎないかい?普通はあれ一人で食べるものなの?
とか、ぶつぶつ書いているけれど、この映画の内容に何一つ掘り下げて書いてませんよね。そうなんですよ。この映画は現実からふと見えた幻燈のようなお話です。その感じはコミック原作だからこそ生かされたんじゃないでしょうか、、。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます