セントの映画・小演劇 150本

観賞数 2025年 映画 05本、 演劇 02本

第9地区 (2009/米=ニュージーランド)(ニール・ブロムカンプ) 80点

2010-05-02 15:01:24 | 映画遍歴
冒頭から観客を引き込むドキュメンタリータッチ風作風が異様に迫力を持ち、終盤まで崩れない。その製作力というか、演出力は並大抵のものではない。こちらが休む瞬間がなくなるのだ。それほど画面に食らいついている自分を発見する。

南アの上空に浮遊する宇宙船の立ち位置の見事さ。エイリアンが人間よりもひ弱そうだという逆転発想。エイリアンはエビと呼び捨てられ見事難民へと追い立てられる着想の素晴らしさ。人間はこの映画では見事悪役に徹するまたまた逆転の面白さ。(すべて何らかのメタファーなんでしょうが)

どんな世界にもふてぶてしい生き物はいるはずで、エイリアンを食すギャングたちの登場。ああ、まさに現生の人間世界を写しているキモさ。そして最後は人間は騙されそれでもエイリアンとして生きていくそのたくましさ。異様なエネルギーを感じましたね。

ただ、最後4コーナー回って直線息切れしたかのような予定調和の宇宙への帰還はどうなんでしょう。もうちょっとぶったまげたラストを期待していましたが、、。

でも、見事主人公を騙したエイリアンたちを呪うのでもなく、ただ元愛妻に一輪の造花とはねえ、、。あの異様なエネルギーの持続がもうスカスカでしたね。少々エネルギー切れだったのでしょうか。残念。でも、一度は見る価値のある映画です。映画料金久々に安かったですよ。

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