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愚者の毒 (祥伝社文庫)(2016 宇佐美まこと) 80点

2020-08-13 11:18:13 | 読書遍歴

ミステリーの形式ではあるが、文学としても読ませるものがあります。あれほど他人への成り変わりが2件もスムーズに進むとはとてもや思えないけれど、その辺りは譲ったとしても、十分読みごたえはあった。

2章のどん底生活の描写がリアルで貧困とはこういうものだということを本能的にも知る。実はこの章で読むのを中断しようとさえ思ったのだが、読み進んで本当に良かったと思う。この章があるからこの哀しき二人の人生が納得されるのだ。

ラストもフランスミステリー風の締め方で共感を煽ります。


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