6つの短編集だが、それぞれ関連しており、しかも一人の死によって周囲の人の生き方も変わってくるという、パラレルワールド風で、斬新な小説であります。
1篇1篇の書きぶりが繊細で、この若さにして老巧さえ感じる筆の味わいは、人生、すでにたそがれようとしている吾輩には砂漠におけるオアシスのように思われた。生きてゆく上でどうしようもないこのこの哀しみは人間の本質的なものなのだ。すばらしい。
道尾はこの小説にして完全にミステリーから脱出したね。この小説から醸し出されているものはいわゆる純文学です。うーん、読者としては、ファンとしては少々微妙でありますが、、。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます