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蟻の兵隊 (2005/日)(池谷薫)

2006-08-07 20:02:05 | 映画遍歴
終戦後も中国に残留させられ中国内戦に巻き込まれた旧日本軍の人たち。何故そんなことになったのか、奥村和一 は日本そのものに疑問を抱き、問い詰めることになる。
日本に帰ってきたのが終戦9年後というからもうサンフランシスコ講和条約も済んでいた頃である。結構こういう人たちって多かったのではないだろうか、、。
あの時は軍隊式で上官の命令は絶対だった時期であり、終戦になっていても上が残留と決めればみな残らざるを得ないのだ。問題は何故上部が残留を決めたのか、だ。奥村和一 もそれを執拗に追い詰めるが、やはり黒い霧の中である。
この映画でも、奥村和一の怨念そのものは伝わってくるが、戦後の混乱ではそういうこともあったのだろうなあ、と想像はできる。
だが、それでは実際その後も戦争を闘っていた 人は報われない。人生そのものを失っていたわけだ。重い映画ではあるが、どうしようもない闇を見てしまう自分を感じる。
奥村和一 の眼は澄んでいる。それが唯一の救いかも。
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