7年ぶりの再演。ベランダの大道具は覚えてはいるが、意外と初めて観るような演劇のようで、自分の記憶力のなさに我ながら驚く。とはいえ、再演というイメージが全くなく、逆にみずみずしい空晴の演劇を堪能する。
この劇は先日観た「遠くの花火」の裏バージョンのような構成だなあと思う。冠婚葬祭で一同が集まってくるところも同じで、岡部は恐らく、二つでセットの劇を10周年に用意したのではなかろうか、と勝手に僕は思っている。
それにしても、空晴のセリフ回しはすさまじい。両作とも役者たちにセリフのトチリは一切見られない。それぞれの演技力に深みも感じ、完成力の高さを見る。特にこの脚本は終わってみれば、全員がそれぞれ主役を勝ち取っており、誰一人端役はいない。こんな劇を7年前に岡部さんは書いていたんですな。感心します。
二人ほど、役柄が変わっているが、太田清伸のずば抜けた軽快演技が今回の特に注目するところだ。役柄的にも中心を成している。彼は、もはや客演などという表現では済まされぬ空晴の欠かせぬ一員なんだろう。
空晴の充実さは著しい。
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