本格的な演劇を久しぶりに見る。しかも出し物はあの、身も凍るドストエフスキーの最高傑作。でもあんな長い小説をどうやって2時間半に、という気持ちはずっと持ち続ける。
どこか重要な場面だけで2時間半やってくれるのかなあと思っていたが、いやあものすごいことにあの小説のダイジェストでもいうべきスマートなまとめ方に驚愕。何とかカラマーゾフは見せてくれている。俳優座と言う大所帯。個々の配役にも重鎮を配置した気配り脚本が結局ダイジェストを呈してしまった感も否めないが、それでもここまでまとめ上げた脚本は圧巻だ。
カラマーゾフの4人兄弟と芯となる二人の女性。この女優が実に美しく立派。いつも小劇場を多く観賞している私としてはこれだけの美女を目の前にするというのは映画以外には考えられない。しかもみんなセリフ回しから動きまで完全に決まっている。これぞプロの演技か。
しかし、あまりにダイジェスト過ぎてこればかりはこの大舞台から自分とこの劇との接点を見出せず、通常演劇を見る時に常に感じる感動・感情はないまま見終わってしまう。
でも今までかなり演劇を見たけれど、この観客の平均年齢はすごい。僕がまるで若者のごとく感じてしまうほど。東京では演劇を見る人たちは今や年金世代に移行しているのだろうか、、。
それともそれはやはり俳優座だからなのか、それともカラマーゾフと言う出し物からなのか、俳優さんも若い人が多いのに大変だなあ、と要らぬ心配をしてしまう。
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