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エリザベス ゴールデン・エイジ (2007/英=仏=独)(シェカール・カプール) 75点

2008-03-12 11:53:44 | 映画遍歴
ヴァージン・クイーン。まさにこの名の通り国家と結婚してしまった処女国王の話でございます。

イギリスでは、この辺りの王室話は超有名で、幽閉、処刑とドラマチックな展開が多いから、数ある王室ものでも定番中の定番なのかもしれない。だが、我々純粋日本人からすれば、歴史的・宗教的背景がおぼつかなく、スペイン艦隊だなんて言われても、あ、聞いたことがあるわいな、といった程度の知識なのでこの作品に入り込むこと自体に少々時間を取ってしまった。
まあ、イギリスでは信長から秀吉・家康に代わる過程ぐらいのお話なんでしょうなあ。

だが、入ってみるとそこはなかなか秀逸な演出、衣装を始め素晴らしいスタッフに囲まれたのだろう、一部の隙も見せないくらい緊密な人間ドラマを見せてくれた。ヴァージンであることにこだわる女王の孤独。それでいてやはり相手を求める人間の性。宗教等によって人を差別したくない人間性。(海戦の場面では囚人を戦力にしてまで、国対国民の気持ちの同一性を訴える。)
一人の女性としてはおそらく幸せとは言えないのであろうが、人間って、そう何でも得ることは出来ないから、捨てざるを得ないのが人としての真実の心だとしてもやむを得ないだろう。

演出、撮影、演技もレベルが高く2時間のヴァージン女王の一大絵巻としては素晴らしい映像を堪能できたことは喜ばしい。何より強いクイーンだけれど、その中身を掘り下げたブランシェットの演技はやはりアカデミー賞ものでしょう。でも、前年もクイーンが女優賞だったから、それはなかったのかな。

秀作です。

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1 コメント

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何時もコメントありがとうございます。 (アスカパパ)
2008-03-18 11:18:21
この映画、私も昨日(3/17)観てきました。
感想文のURLを私の名前にリンクして置きました。
もしよければ、ご笑読ください。
ケイト・ブランシェットには風格が漂っていましたね。撮影、音楽も善かったと思います。
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