最後の方にはじめが海に入り、ぼわーと4肢を広げ、浮かぶシーンがあります。この作品はこのように僕らが現実を受け入れつつ、茫洋とした宇宙の空間にしっかりと心地よく漂っていることを終始感じさせてくれます。
歳月とともに変わりゆく自然、街、そして人。そう、すべて何物も一定であることはない。許されない。宇宙でさえ時間の概念は違えどたゆまなく変わってゆく、、。
そんなことをこの映画を見て思い浮かべる。これこそばななの世界なのだ。よくある再生の話なんかではない。ただこの広い海に漂い、宇宙とともに動いてゆく感覚を知ることになる。そしてそれは新しい希望となってミニシアター館から出る。
そこには映画を見た後の映画と現実とのギャップ感は全くない。人との雑踏に巻き込まれながらも、心はまだ海の表面に漂っている。この海にふたをするべきか、僕は迷っている。
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