
こういう映画って評価しづらいですね。実話に添っているから話を勝手に変えられない、という弱みはあるものの現実と同様、読後感がすごく悪い。でも逆にこの映画、それが狙いかもしれないですね。
あの、狭いトイレで試し斬り感覚で青年を殺したのはその場にいた二人のうちどちらかであることは間違いない。AでなければBであることは間違いない。しかし、お互いに相手が犯人だと言う。さしたる決めてもないまま話は藪の中に入ってしまう。
不思議な事件である。一人人間が殺されているのが明らかなのにこの二人は無罪で釈放だと言う。こんなことがこの世の中にあっていいのだろうか、、。
映画はどちらが犯人であることを言及せず迷宮入りで終わる。こういう撮り方も仕方ない気もするが、何かもうちょっと新しい視点で映画的実践を試せなかったか、、。これだったら何も映画で描く必要はないことになる。残念至極。
途中、洗面台の下に吹き残しの血液が何か意味あるがごと描写されていたので新切り口を期待していたのだが、何のことはない、それで終わっていた。あのシーンは全く必要なかったわけだ。ヘンです。
ただ、映画的にはそこそこ見られる作品で、凡作でもないところがこの映画の不思議さをさらに募らせる。
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