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ラヴェンダーの咲く庭で (2004)(チャールズ・ダンス)

2005-06-12 22:21:57 | 映画遍歴
映像がとにかく美しく人の揺れ動く様をイギリスの海辺に濃密に描く。J・デンチとM・スミスの演技はもう名人芸なのだが、さらに脇役陣(特に家政婦役)が素晴らしく演技を見ているだけでため息が出るほど。D・ブリュールもその純朴さがよく合っている。
もうかなり老境に達した女性の一人の青年への恋心。その甘酸っぱい恋の晴れやかさ、哀しさ、諦観、許容へと進む過程を大げさにならない淡いタッチで描いている。 恋愛って年齢じゃないんだよね。その抑えられない心のほとばしり、不安感をJ・デンチが抑えた演技で表現している。
ラストのコンサート後、青年が彼女たちにいだくいたわりの気持ちは素晴らしく、この映画全体に流れる人間へのメッセージとしても感動的なラストになった。
ラヴェンダーは感謝の香り。そう、この映画は現代では見失った本当のものを得た人たちの話なんだ。80年近く前の話なんだが、たとえばgoodbyも(グッバイ)じゃなくちゃんと(グッドバイ)と発音していた。
そんな本物の映画なんですなあ。
ひとつだけ注文を言わせてもらえれば画家の女性がちょっとケバ過ぎる。もうちょっと可憐な女優の方がよくはなかったか。
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