アレン作品をあまり好きではないと言いながらついついいつも見てしまっている吾輩ですが、今回は素直にしっとり嬉しくにやにや、アレンの世界にこのニューヨークの雨のように浸ってしまいました。
輝いていますね。ビング・クロスビーのゆったり感から、さあ映画が始まるよ、といったワクワク感がみなぎり、90分ほどの映画なのに今までの彼の主要な作品のいいとこ取りみたいなところもあるし、「ティファニー~」を意識した構成が現代のニューヨークを魔法のように素敵に蘇らせてくれる。
著名な映画監督や人気俳優等々でさえ市井の人間の一部にしか過ぎないというアレン独特の自虐感も可愛く、ひょっとして実は吾輩はアレンファンでないのかい、とエンドクレジットを見つつ、感じ入る。
アレン作品に出たがっている俳優陣がごまんといるんだろうか、ちょい役でも俳優はみんな生き生きしている。そこもこの作品のパワーの醸成なるところだと思う。忘れられない秀作です。
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