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アメリカン・ギャングスター (2007/米)(リドリー・スコット) 75点

2008-02-13 21:20:49 | 映画遍歴
うーん、デンゼル・ワシントンとラッセル・クロウ、監督がリドリー・スコット、題材が実録ものの麻薬犯罪。観る前から映画的にどう撮るか想像出来るハリウッド映画大作とでも言おうか、、。

主役の二人、どちらも抑える演技でじっくり人生を生き抜く男を演じている。ワシントン、品性の良さが彼の役柄を邪魔するかと思われたが、まあ見事屈折した家族思いの男をこなしている。相変わらず立派。役柄的には観客をあっと思わせる悪役だったが、不思議と悪い人間には見えないのが彼成せる品性、それにしてももうちょっと嫌な臭気を周囲に発散させて欲しかった。

対するクロウは体がぶわぶわになってきて、顔もただれている感。若い時のシャープさは最近感じなくなった。まあ、この役柄はそれでもいいんだけれど、俳優的にもう少し減量に励まないと(まさか無理にこの役のために太ったんじゃないよね。)、、。ワシントンはその点、立派です。

ラスト近く二人で警察側の犯罪者を追求するために取引をする留置場のシーン。ここがクライマックスなんだから、もう少し格調たっぷりに演出してもらいたかったなあ。急ぎ過ぎですよ、スコットさん。でも、ベトナム戦争停戦後の麻薬摘発部分の、この映画では珍しい動的な襲撃シーンは迫力十分で納得。

それにしても、麻薬に係わる警察官の75%がこの時逮捕されたなんて、この数字はすごいです。ワシントンとクロウが警察側の犯罪を摘発することで気持ちが一致するシーンは爽快だ。おそらくスコットはこれを取り上げたかったんだろうなあ。

アメリカでこの映画を見る人は歴史を考える意味で、日本人とは全く違う観点で見るのだろう。でも、日本人である僕は、この映画から僕自身に投影する何かは特に感じなかった。そういう意味では2時間40分は長かった。

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