セザンヌ好きの吾輩としては上映され即映画館へ。ゾラとセザンヌのケンカの話は有名で、ほぼ知ってはいたが、その詳細を見るにつけ、この映画の視点が分からなくなった。
映像は確かに美しいし、ラストに急にせきを切ったように現れるサント・ヴィクトワール山の絵画群は見事だが、でもあの二人の不和感はいたたまれない。お互いに相手の芸術をまったくと言っていいほど理解していない。一流の芸術家がこんなにも、とおののいてしまう。
特に、ゾラはセザンヌの芸術を1%も分かっていず、(分かっていないのなら黙っていればいいものを)悪意を感じるほどこてんぱんにこき降ろす。こうなると、ゾラの人間性、芸術性にまで疑問を呈してしまうほどだ。
で、言いたいのは、ある程度事実が存在するにせよ、そのまま映画として描くことで、この作品に何の意味がるのかと考えてしまうのです。2時間、彼らの決定的な疑似友情を見せられる意味を観客として、何と考えればいいのか、と。ドキュメンタリー映画ならば理解はできるが、、。
決して僕がセザンヌファンだからこう書いているのではないことを知ってほしいと思います。少々変な映画です。
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