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天使のナイフ(2005)( 薬丸 岳 (著) )講談社 80点

2008-05-02 11:06:00 | 読書遍歴
少年法の基本的問題をえぐり出した力作です。13歳で犯罪を犯すと裁判を受けることはない。それが殺人であっても、、。

前半は少々説明調ではあるが、社会全体に投げかける問題提起は重い。しかし、この作品は社会的主張を底辺に置きながらも、ミステリーとしても質が高く、重層的に張り巡らされた伏線を元に、過去の犯罪をも一挙解明するその手法は鮮やかで見事の一言。ここ最近のミステリーでも出色の出来です。

だいたい、ミステリーって無理に理論付けしたものが多く、「そんな馬鹿な」といったこじつけも多いのが実情だが、この作品はそれがない。江戸川乱歩賞でも上位の作品だと思う。実に最近珍しい一気読みだ。

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