私のお気に入り映画だ。
遠くから接近するカメラに中年の男が入る。すっかりもう若者ではなくなっているコリン・ファレルの姿がそこにある。彼もアイルランド出身だと思い出す。
この映画は本土では内線の最中。ドンパチやっている。その音響が響き轟く島での話である。
ある日、昨日まで仲良くしていた友人から急に無視され、絶縁を伝えられる男。そのことに執拗に問いただし、復縁しようと、甲斐なく努力しようとする男。我々はただ虚しく、イライラするだけだが、男はそれこそ胸糞悪くなるほど執拗に男につきまとう。そして、、、という話です。
これはシンプル過ぎて寓話なんだろうな、裏に潜むニヤニヤ顔が見えるような気がする映画です。これはある男同士単なる喧嘩とも取れるし、喧嘩が大きく発展した形である戦争(すなわち対岸の火事→本国の内戦)を揶揄しているようにも思える。
また、島では一番バカにされていた男が、実は一番人としてまともだったと思わせる挿話もある。まさに僕たちが生きているこの俗世間を象徴させている。
ラスト、結局は平和に終わりきらないところがこの映画のシリアスな部分で、この厳しい諦観の姿勢を感じるマクドナーのペシミズムさえ感じ取ることになる。
少し気になる部分がありす。
男と妹は成人しているにも関わらず、同じ部屋で生活しているが、両親もいただろうから部屋は他にもあるはず。ベッドは隣でもそれぞれ背を向けて寝ていたものの、何か意味があるのだろうか?
男が歳はとってはいても、幼児のような存在なのだ、といいたいのだろうか、、。気になるシーンであった。
いやあ、面白かった。これだから、映画はやめられない。
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