映画を見る前、待合所である夫婦の「このマネーゲームっていう映画、、」「いや、マネーボールだわよ」という会話。この映画、野球映画というよりビジネスの映画ですよね。そういう意味では「マネーゲーム」で正しい、、。
確率を基にした緻密なデータ分析と対策が勝利に導いてくれるのなら、これほど楽なことはない。でも業界ではそれをあまり実行されていないという環境であれば逆行も可能であろう。この映画はまさにそれを地で行った映画だ。
出塁率という分かりやすい例で画面を引っ張って行ったのは正解。なるほどなあと納得してしまう。結局資金が絶対的に不足している時、中小企業が自分の持ち駒、カネをどう運用するのかというビジネス話なのだ。それには今までの通例ではなく、頭を使うことと(世ではブレインという)実行する強力なリーダーシップが必要なのだ。
まるで研修の格好の材料となろう今回の映画、さすがスピーデーで簡単明瞭、面白い娯楽作に仕上げている。例えば選手の駆け引きトレードなんか完全に資金運用のトレーダーのごとく選手がモノ扱いされており、まさにビジネス悲話を見ているようだった。
最近の【ブラッド・ピット】は作品を選んでおり、かなり地味な作品でありながら、時代的にもマッチした有意義なものを選んだ彼の選択眼は大したものだ。 無駄な部分を極力カットした脚本(恐らく離婚しているのであろう私生活も説明せず)もシンプルで強く、この作品をホンモノにした。
ただ僕はそれほど野球は知らないが、名捕手が肩の故障で遠投が出来ないのは分かるが、本当に球が来るのがそんなに怖いものだろうか、、。ちょっと一瞬、えっ、と悩みました。
でも、シンプルイズベストの快作だ。
ところで、この映画は僕にはブラピが拘った映画のように思えました。
何にか、と。
それはもう今や十分中年なのに、いまだまだそれを求めているファンに対して、シンプルな演技、そして映画の面白さを知ってもらいたくてこの映画に出演したように思えます。
ですから映像は彼の容貌などよりストーリーに重みを置いていますね。そこが意外と面白かったです。
そろそろ彼も映画出演を整理するらしいですし、、。でもせっかくいい作品に出始めているんですから勿体無い気もしますね。
それでは、また。