文章が読みやすく、また子供たちが主人公のミステリーなので、さわやかで前半は俄然読後感がよい。子供たちの成長が記されミステリーというより通常の小説を読んでいる感が続く。
ミステリーといっても、まず本格物ではない。読者に伏線をあまり提供しておらず、何気なくぽつんと新事実が浮き彫りになる。これってなあ、推理する楽しみはほとんどなし。一応意外な犯人を浮かび上がらせるが、それは作者側のリードにおいてであり、本格もの愛好家からは、いろいろ非難もあろうとは思う。事件の謎もちょっと人工的で、後半はちょっとついていけない感もある。
まあ、でも、最近のミステリーでは合格ラインかな。最後まで読ませる何かを作者は持っている。次作がとても気になる作家であります。
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