セントの映画・小演劇 150本

観賞数 2024年 映画 92本、 演劇 70本

ミリオンダラー・ベイビー(2004)(クリント・イーストウッド)

2005-06-02 22:40:30 | 映画遍歴
相変わらずクリアでない映像はもうイーストウッドの心象そのものなのだろう。でも、今回はそれさえ3人のくすんだまたは高揚的な心的状態をよく表すこととなった。演出方法も冴え渡っているので、むしろ歌舞伎的な道行に至るまで息を呑む展開となった。
本物の秀作。
無駄なシーンがまったくないんだよね。脇役の俳優もかなり決まった演技だ。この集中度に驚く。
次に、ラストは「海を飛ぶ鳥」パターンなんだけど、主題は似ていても、こちらの方が悲惨なんだけど、満足感のまま死ねるという点ではかなりハッピーエンドとなる。その違いは大きい。
イーストウッドの映画、ずっと嫌っていたけど今回初めて感心した。それだけ、丁寧にしかも静かなまなざしで人間を見ていたせいだろうと思う。
完璧な人間劇に酔う。現代映画ではここまで描いていただけるともう文句なしです。
この映画、あの素晴らしい心に響き渡るピアノ曲、イーストウッドだったんだね。クレジット見て驚きました。拍手を送りたいです。
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