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ピッコロ劇団「宇宙に缶詰」(作・肥田知浩 演出・サリngROCK) atピッコロ大ホール 85点

2024-09-16 17:47:30 | 演劇遍歴

一人の男の人生を脳裏に焼き付けたデータがある惑星に着陸した。それは宇宙を超え、永遠に語り始める、、。

なんて、壮大でまさしく宇宙ロマンであります。このストーリーを聞いただけで泣けてきます。子供時代の他愛ない出来事、女性とのロマンス、それらは何ら私たちの人生の綴りと変わらないのだ。彼が惑星で想い、語り始めていることはすなわち私たちの人生でもある。

ということは、人は死んだからと、残された人の記憶から抜け落ちても、このように永遠に宇宙で生きていることが可能なんだ。ある青春がすがすがしく、そのまま幻灯機に生きているようだ。

悲しい話なのかなと思っていたが、全然そんなことはない。死んでもなお、人はどこか宇宙で生きているなんて思えてきて、何か素敵な話であります。

大道具からして、いつもの凝ったピッコロ風ではなく、そこにあるのは詩情漂う素朴な惑星光景だ。すこし傾いた冷蔵庫など、いかにもサリngROCK風造作である。

いつも主要な役柄をしている俳優陣が大勢、脇役に徹しているのもなかなか面白い光景で、私は一人一人くまなくじっくり見てしまう。この劇団はチームワークもすこぶるいいことがわかる。

主役の谷口遼が若者、いや一人の人間像を深くさわやかに演じていてとても印象に残った。


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