ポランスキーの新作。相変わらず映像はどこを切り取っても一流の絵画。もう感嘆するばかり。俳優陣も完璧の演技。お金もかけている。もう現代においてはこういう映画を撮る作家はいないのではないか、と思われる作品です。
けれど彼はこの映画で何を言いたかったのか。またはなぜこの映画を作ったか?
ユダヤ狩りの悪夢を脳裏に焼き付かせる子供時代。映画監督時代のシャロン・テート事件。そしてアメリカでの少女への淫行疑惑による身柄引き渡し要求など、彼は常に何かから逃げて来た、、。
この映画の核たる部分、すなわち反ユダヤ、体制への欺瞞、人間不信、人民の軽薄さ、それらすべてを彼の怨念の総色で覆いつくしたかのような映像でした。力作です。
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