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キャピタリズム マネーは踊る (2009/米)(マイケル・ムーア) 75点

2009-12-12 15:45:16 | 映画遍歴
意外とまじめで一途な【ムーア】。今度の対象は資本主義。ああ、そう来るか、、。でも単純だなあとも思う。けれども意外と歴史浅きアメリカの経済歴史を知らない僕。だから冒頭の単純アメリカ経済史は興味深かった。

結局2つの大戦に戦場とならずに富を莫大に蓄えたアメリカ。そして現在の戦争は陸地を必要としないキャピタルマネーゲームでもあるのだ。だからこそアメリカは初めて(経済)戦争に敗れたとも言える。

中産階級があれほど富裕であったということは当時の白人は殆ど現代で言うところのブルジョアだったのだろう。富はだが平準化し、移行もする。中国、インド、ロシアがのし上がってくれば自然とアメリカ、日本も地盤沈下してくるのは必定。現代はまさにその過渡期であり、地殻変動時期なのではあるまいか、、。

サブプライムローンで家を失うとか、保険金で会社が社員に高額な保険を掛けているとかそれらの状況は日本でも全く同状況。はっきり分からないが、小泉政策によって日本では中産階級がヘタリ、派遣が社会問題化し、現在アメリカとたまたま同じような状況下になっている(見えている)のではあるまいか。

資本主義がいいときにはその時代を謳歌した人間が、そうでなくなると資本主義を悪の根源のようにのたまうのはやはり短絡的であるとも言えるのだが、この映画はじゃあどうすればいいのと言うサジェストはない。いわんや吠えているだけである。(まあ、今は吠えることも確かに一つの手段ではあるが。)

日本でのワーキングプア層の増大と言い、ほんとアメリカの中間層の没落と現象は似ている気もするが恐らく本質的にはかなりの相違があるのだろう。でも経済状況は偶然の一致か、よく似ている。興味のあるところだ。

映画では言う。「【ムーア】一人ではもうキャピタリズムと戦えない。この映画を見ている観客に後押ししてほしい」と。でもなあ、どうすりゃあいいの。みんな、生活を維持するために、仕事をして、家族を愛して、多少のカネと多少の愛情を欲しがって、ただがむしゃらに働いているるだけなんだよ。そんな一観客に何ができるのだろう、、。

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