オーソドックスな翻訳劇だ。劇の展開が時間軸を左右するので、映画的な面白さもある。テーマは自然と同性を好きになってゆく女性二人の心のひだがよく描かれている。
大道具といい、小道具、衣装、食物に至るまで完全アメリカナイズされており、この作品における意気込みとこだわりを十分感じさせる。
主役二人の女優の熱演もさることながら、脇役の警察官、看護師役の女優も人生をしかと感じさせる演技で、舞台を盛り上げる。池田佳奈子さん、ダイナミズムを持ったいい女優さんですね。
現代とは何でもありの思想が過ぎゆき、このマイノリティラブも、私にとって、それほど抵抗感もなくなっている。これは舞台演出のせいなのか、時流のせいなのか、私にははっきり分からない。少なくとも、愛の姿をそのまま受け入れたといえるだろう。
秀逸な劇作りに目を見張る思いがした。
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