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ヨコハマメリー (2005/日)(中村高寛)

2006-08-01 19:33:57 | 映画遍歴
横浜メリーが元次郎のコンサートで花を渡すとき観客から大拍手があったのは彼女が元次郎より大スターであったからだ、という逸話はヨコハマの人間の懐の太さを象徴しており、この映画のテーマをストレートに表している。
そこが東京とヨコハマの違いであり、人間味がまだかろうじて残っている街の今様なのであろう。
実態はほとんど白塗りのオバケとまで言われて街を彷徨っていたメリーだが、地元に戻り化粧を落とした素顔の晴れ晴れとした毅然とした美しさ。僕は逆にそのことに驚いてしまった。白塗りは仮面であると。化粧も仮面なのだといわれている。
人間が素顔に戻れる時ってどんな時なのだろうと、無心に思ってしまう。
メリーにとってはもう仮面をかぶらなくても生きて行ける「時」がヨコハマという街の愛情の醸成で体得したのだろう、、。
一人の女性の生き方を問うている内に知らず知らず自分の仮面を脱ぐときまで考えてしまう鋭い人間劇だ。
ドキュメンタリーにしてはほのぼのとしたものを残す珍しい作品だ。
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