台湾と日本の架け橋、トロッコ。子供達にはたまたま流れついてしまった異国からの脱出行であるし、遠い時代の占領下の親日台湾人からは未来へ託す希望への入り口だったのだ。
亡き父親の故郷に辿り着いた親子。兄の8歳の男の子は父親の遺骨を胸に家に入り込む。しばらくぶりの息子の帰還に父親は遺骨に鞭打って悲しみを訴える。この場面は強烈で日本と台湾との文化の違いをも考えてしまう。
そして台湾の自然、変わらぬ心、家族の愛を感じながらまたそれぞれ人々は自分の生活に戻っていく。母親がふと義理の母親の胸で号泣する場面を見てしまってから、息子は自分がここに置いていかれるのではないかと、日本へ脱出するためにトロッコに乗り込んで、しかし途中で怖くなり、泣きながら時間をかけて我が家に戻っていくハイライトシーンがこの映画の唯一のドラマ的部分ではあるが、人間は、時間と家族とそして日常以外の何かによって癒しを得るときがあるのだろう。
【リー・ピンビン】の美しい映像がこの映画の主役でさえある。そこには人間の営み、自然の営みが一体となって、空にそびえる森林のように人間の哀しみさえちっぽけなものにしてくれる何かがある。そんなことを考えてしまうしっとりと深くそして大きな映画であった。秀作。
亡き父親の故郷に辿り着いた親子。兄の8歳の男の子は父親の遺骨を胸に家に入り込む。しばらくぶりの息子の帰還に父親は遺骨に鞭打って悲しみを訴える。この場面は強烈で日本と台湾との文化の違いをも考えてしまう。
そして台湾の自然、変わらぬ心、家族の愛を感じながらまたそれぞれ人々は自分の生活に戻っていく。母親がふと義理の母親の胸で号泣する場面を見てしまってから、息子は自分がここに置いていかれるのではないかと、日本へ脱出するためにトロッコに乗り込んで、しかし途中で怖くなり、泣きながら時間をかけて我が家に戻っていくハイライトシーンがこの映画の唯一のドラマ的部分ではあるが、人間は、時間と家族とそして日常以外の何かによって癒しを得るときがあるのだろう。
【リー・ピンビン】の美しい映像がこの映画の主役でさえある。そこには人間の営み、自然の営みが一体となって、空にそびえる森林のように人間の哀しみさえちっぽけなものにしてくれる何かがある。そんなことを考えてしまうしっとりと深くそして大きな映画であった。秀作。
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