鹿児島の自然と食

鹿児島の豊かな自然(風景、植物等)、食べ物、史跡を紹介します。

石橋公園

2006-11-19 | 石橋
鹿児島市の甲突川(こうつきがわ)に、かつて五石橋がありました。
上流から玉江橋、新上橋、西田橋、高麗橋、武之橋の5つです。
平成5年8月6日の鹿児島豪雨で、このうちの新上橋、武之橋の2橋が流失しました。

その後、残った3橋を現地保存するか、移設するかで議論が沸き起こりました。
行政は早々と移設案を打ち出し、一部の人々からは、かなり強い現地保存の運動がありました。
しかし、県民全体の大きなうねりにはならず、結局移設することに決定しました。

江戸時代に造られた、現在のような交通環境をまったく予想しなかった石橋を、車の通行の激しい現役の橋として使用することに、無理があったのでしょう。
西田橋や高麗橋は幹線道路にあり、石橋の箇所だけ幅員が狭いため、交通渋滞の原因となっていました。
しかしながら、平成5年まで現役として使用できたということは、石橋およびこれを作った岩永三五郎はじめ当時の石工の優秀さを証明するものでしょう。

残った3橋は、祇園之洲公園に移設され、現在石橋公園として整備されています。
石橋記念館という、石橋に関する博物館もあります。


西田橋。
島津家の参勤交代の道筋にあり、表玄関に当たるため、もっとも豪華な橋で建設費も一番高かった。


西田橋には、かつてこんな立派な門があった。


高麗橋。5橋の中で2番目に長い橋。


玉江橋。5橋の中で一番上流にあり、幅員も狭く建設費も安かった。


5橋の諸元です。
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滝ノ下川の大滝

2006-11-18 | 水辺の風景
鹿児島市中山(ちゅうざん)町に、永田川の支流で滝ノ下川という川が流れています。
この川に大滝という滝があります。指宿スカイラインのすぐ下です。


滝の高さは15mくらいあり、渇水期の今でも比較的豊富な水が落ちています。


滝を眺める場所は広場になっており、かつてここにソーメン流しがあったそうですが、今は撤去しており建物も残っていません。
施設の名残と思われるレンガ造りの煙突が残っているだけです。
滝は写真の左奥にあります。
滝を見ながら涼風に吹かれて食べるソーメンはおいしいことでしょう。
今は荒れており、訪ねる人もありません。
周りは紅葉が始まっていました。


煙突の近くには野生のハヤトウリが生い茂り、まだ青いハヤトウリが鈴なりになっていました。
ハヤトウリは熟れると黄色くなります(ハヤトウリについては10月31日紹介)。
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カメノテ

2006-11-17 | 食べ物
朝市でカメノテを買ってきました。
カメノテは、以前は自家用にとって食べるだけでしたが、近年市場に出るようになりました。

カメノテは、磯の岩場に付着している生物です。
貝拾いのとき、よく一緒に取ることがあります。
貝のようですが、エビやカニと同じ甲殻類です。

食べ方は、写真のようにただゆでるだけ、というのが多いですが、味噌汁に入れてもいいです。
体の中ほど(白いところと黒いところの境)を2つに割ると、中から汁がピュッと飛び出して周りに飛び散ります。
身を口に入れると、磯の香りが口中に広がります。
味は貝に似ていますが、やや生臭い感じがします。

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イヌマキの実

2006-11-16 | 植物
鹿児島はイヌマキ(鹿児島ではヒトツバという)の木が多いところです。
知覧や出水の武家屋敷には、見事なイヌマキの垣根があります。
また、加世田はイヌマキの町として知られています。
個人のうちにも、庭に古くてりっぱなイヌマキの木があるのをよく見かけます。

これはイヌマキの実です。
ダルマさんのような、団子のような面白い形をしています。


赤い実は、柄の部分が膨らんだもので花托というそうです。
緑の実が本当の実です。
花托は赤から赤紫に熟していき、食べられます。
子供の頃食べましたが、久しぶりに食べてみました。
ゼリーのような食感で、ヤニくさい味がします。
いまどき、これを食べる人もほとんどいないでしょう。
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おしんと銀山温泉

2006-11-15 | エッセイ
ブログを始めたきっかけは、NHKの「趣味悠々」という番組を見たからなのだが、それにおしんの小林綾子が案内役として出演していた。
あのおしんちゃんが美女に成長しているのを見てうれしくなった。
おしんが放送されていた頃、東北地方に住んでいて、ドラマの舞台となった酒田や最上川や銀山温泉にも行ったことがあり、懐かしく思い出した。

ドラマは、山形生まれの貧しいおしんが、どんな困難にも負けずスーパーの経営者として成功していく、というストーリーで、日本中の涙を誘ったものだ。
私は毎日見たわけではないが、あまりにも評判になったのでダイジェスト版くらいは見た。
奉公に出されるおしんと母親(泉ピン子)との、最上川での舟の別れのシーンが印象に残っている。

銀山温泉は、山形県尾花沢市にあるが、仕事の途中でたまたま入り込んだのである。
東北に来て間がない頃で、銀山温泉についての知識は何もなかった。おしんの放送前で、全国的に有名でもなかった。

銀山温泉に入り込んで、突然異次元の世界へ引き込まれたような感じがした。
銀山川という小さな川が流れ、その両岸に建つ温泉宿が全て三層、四層の情緒ただよう大正様式の建築なのである。
昔にタイムスリップしたか、映画のセットの中に入り込んだような感覚だった。

おしんの母親がこの銀山温泉で仲居として働いており、そこにおしんが訪ねてくるシーンがあった。
また銀山温泉は「千と千尋の神隠し」のモデルにもなったらしい。
この町並みを残すには、温泉街の人の並々ならぬ努力があると思うが、いつまでも残してほしいものだ。そして機会があったら、いつかまた訪ねてみたいと思っている。
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龍郷のガジュマル

2006-11-14 | 巨樹・古木

前日紹介した奄美大島赤尾木湾の南の龍郷町赤尾木地区に、カトリック赤尾木教会があります。
一見、町の公民館のような建物で、教会には見えません。
広い庭(グランドといってもいいくらい)があり、この庭にガジュマルの大木があります。それも2本です。


これは入り口にある木で、樹高15m、枝の広がり20mくらいはあるでしょうか。


これは奥にある木で、樹高は前の木に及ばないものの、広がりはそれ以上です。
樹齢はいずれも何百年もするでしょう。
この2本のアコウが、教会の前に並んでいる様子は見事なものです。



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奄美クレーター

2006-11-13 | 水辺の風景
奄美大島の北に、赤尾木湾という丸い形の湾があります。
丸い湾や池というと、すぐ思い浮かべるのがカルデラですが、奄美には火山はありませんので、カルデラはありません。

これは日本で最初に確認された隕石孔とされており、「奄美クレーター」と呼ばれています。
近くには「星窪」という集落があり、まさに星が降ってできた窪みというわけです。
湾の周りは美しい砂浜が広がっています。

下の2枚の写真は、海岸から写した連続写真ですが、丸い湾ということがわかるでしょうか。
高い山の上から写せばよくわかるのでしょうが。





Googleの衛星写真で見ればよくわかります。
入り組んだ湾全体が笠利湾ですが、その一番奥(下)の丸い湾が赤尾木湾(奄美クレーター)です。
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パパイヤ

2006-11-12 | 食べ物
奄美大島のあちこちで、パパイヤを見かけました。
民家の庭に植えてあるものが多いです。
鹿児島(本土)では、植物園等では見かけますが、民家の庭にに植えてあることはあまりありません。
やはり奄美は南国です。


中には、こんな風に黄色く熟してきているものもありました。
食べ方は、完熟したものを2つに割り、やわらかい果肉をスプーンですくって食べてもいいですが、奄美大島では、青いパパイヤを塩漬けや味噌漬けにして食べ、みやげ物屋にも売っています。
ポリポリした歯ざわりでおいしいです。
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奄美の植物(2)

2006-11-11 | 植物
奄美大島で見かけた植物です。


オオバナアリアケカズラ。
民家の庭先でよく見かけました。
カズラといっても蔓植物ではなく、キョウチクトウ科の低木です。
直径15cm位の大輪の鮮やかな黄色い花で、いかにも南国的な派手な花です。


ヘゴ。
こんな大きなシダ植物が、山に入らなくても道路脇でいくらでも見ることができます。
ジュラシックパークみたいで、さすが南国奄美ですね。
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奄美の風景(2)

2006-11-10 | 風景
奄美大島シリーズのパート2です。


奄美市住用のマングローブ。
住用川と役勝川が合流する河口にマングローブ林が広がっています。
マングローブの規模は、沖縄の石垣島に次いで2番目に大きいそうです。
川をボートで探索するツァーもあります。


奄美大島は、リアス式海岸で入り組んだ湾が多いところです。
写真は、瀬戸内町の国道の峠から南を眺めたもので、湾は伊須湾です。
その向こうに見える小さな島影が加計呂麻島です。


奄美大島の南端にある古仁屋の町と、その向こうが大島海峡(瀬戸内)と加計呂麻島。
古仁屋は瀬戸内町の中心地で、奄美大島で名瀬に次いで大きな町です。


古仁屋の港から加計呂麻島を見る。
加計呂麻島は山がちの島で、諸鈍という集落に樹齢3百年のデイゴの大木の並木があります。非常にのどかで美しいところです。
ここは男はつらいよ最終作「寅次郎紅の花」のロケ地になったところです。
また、加計呂麻島は作家島尾敏夫が戦争中、特攻艇の出撃を待って駐屯したところで、彼の文学碑と特攻艇の格納庫にしていたトンネルが残っています。
今回加計呂麻島まで渡りませんでしたが、機会があったら紹介します。
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