長月天音さんの「キッチン常夜灯」2巻目です。サブタイトルは「真夜中のクロックムッシュ」。
舞台はレストランチェーン店。前巻は女性の活躍ということで、店長に抜てきされ、いろいろと悩みつつ成長していくミモザさんのお話でした。
その成長過程にはキッチン常夜灯の存在が大きいのですが…。
夜9時から朝7時までの営業のキッチン常夜灯。シェフ城崎さんと、ソムリエ堤さんの接客がとても心地よい。
食事を提供するっていうのは、こういう事が大切とつくづく感じられます。
今回はミモザさんの同期で本社営業部に勤務するつぐみさんのお話。
店舗に戻りたいと思っているつぐみさんも、働くこと、働きがいとはといろいろ悩みます。
甘いものは苦手なのに女子というだけで、デザートの新作を考えるように言われる。そんな事も不満でたまらない。
そこに登場するのがキッチン常夜灯。シェフとソムリエとの会話が本当にあたたかい。何気ない言葉が前を向かわせてくれる。
読書の醍醐味の1つに知らない世界を知ることができると言うのがあると思うのだけれど、その知らない世界を、ちょっとだけ覗けるっていうのが楽しい。
下調べ、取材とかものすごくしたのかなぁ〜とか思ってしまう。
色々な仕事があり、大変なことはたくさんあるけれど、どれにも共通しているのは人とのかかわり、繋がりなんだなぁと思わせてくれる一冊でした。