松本敏治『自閉症は津軽弁を話さない』:あるいは共通前提の消滅と、コミュニケーションの未来について

2023-11-09 11:17:28 | ことば関連
人間という存在がどのように言語を習得していくのか、というのはなかなか興味深いテーマだが、それを「自閉症(ASD)の人たちが方言を話さないのはなぜか?」という問いを立てて実地調査・検証していく『自閉症は津軽弁を話さない』は非常におもしろい内容だった。     そこでは、「あらゆる自閉症の人が全く方言を話さない」というわけではない、といったことを複数地域でのアンケート調査で確 . . . 本文を読む
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おもろくない事なんてやりたくないっス:「学び」と「遊び」

2023-10-30 17:08:25 | ことば関連
      「二重の極みアーーーッ!!」ってだいぶ懐かしいネットミームだが、よもやその数か国版を使って言語を習得せんとする猛者が現れるとは・・・そのクレイジーさがいっぱいちゅき(はぁと)。   てか、空耳って「空耳アワー」とか格闘ゲームの技名とかインパクトに残って未だに覚えてたりするから、言葉を勉強する上で結構ありなアプローチだと思うんよねえ( . . . 本文を読む
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「クワトロ」のこと

2023-08-10 10:43:40 | ことば関連
「クワトロ」と聞くと自分はまず「クワトロ・バジーナ」を思い出すのだが、当時はその名前に何の意味も見出さなかったように記憶している。   後年、とある機会に渋谷の「クラブクアトロ」という名前を耳にした時、「え、クワトロって何か意味があるのか??」と疑問に感じ、そこからqua、つまり「クォーター(quarter)」、「スクウェア(square)」、「クワドラプル(quadruple)」、 . . . 本文を読む
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英語教育とレジスター(register)

2023-08-02 11:49:23 | ことば関連
今となってはもう昔のことになりつつあるが、東日本大震災が起こった2011.3.11は国公立の後期日程と重なっていたこともあり、東京外大のように特別措置を採る大学もあった。   その印象から2012年の東北大入試はどんな感じになるんだろうと思っていたところ、「大学で受講する3つの講義から1つを選択した理由を英語で説明」、「選択しなかった残り2つの講義内容を日本語で要約」というものが出て . . . 本文を読む
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知識不足+論理的思考→誇大妄想

2023-06-06 17:00:00 | ことば関連
breakfastって何で「朝食」って意味なんやろ🤔   日本語だったら朝「食」、朝「飯」、朝「餉」って食事を表す単語が混ざるからわかるとしても、breakfastって全然食べる系の単語は含まれてないよなあ。   ん、待てよ待て・・・   break-fastって二つに分解できるやん?   そんでbreakは「壊す」で、fastは「速い」・「 . . . 本文を読む
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方言、俗謡、オーラルヒストリー

2023-01-17 17:14:14 | ことば関連
        「おもしんにゃーねー」(面白くないね)という言葉は私の周りで普通に使われてきた言い回しだが、高校の古文の先生教師曰く、それは熊本市内だけの話らしい。確かに山を越えるとかすると断絶や独自変化が生じるのはわかるとしても、市内限定というのはいかにも不思議な話。彼によると、先に述べた独特の語尾は「みゃー」とか「やぁー」とかで有名な名古 . . . 本文を読む
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この単語が数えられるかどうかは、シックスセンスに聞け(・∀・)

2020-06-07 12:55:00 | ことば関連
  「質問だ・・・数えられるか?数えられねーのか?あててみな」 「ひ、ひと思いに可算であってくれ・・・」 「NO!NO!NO!NO!NO!」 「ふ・・・不可算?」 「NO!NO!NO!NO!NO!」 「り・・・りょうほーですかあああ~」 「YES!YES!YES!YES!YES!」 「OH MYGOD!!!」 というわけで(何がだ)、英語の可算名詞(countabl . . . 本文を読む
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トライデント:象徴的武器の由来

2020-04-22 11:58:48 | ことば関連
  昨日は示現流とか剣術の話を少し書いたが、長くなりすぎて途中でカットしたんで続きをば。刀は武士の象徴のように扱われてきたが、同じように象徴的な武器として騎士のロングソード・・・と思っていたのか!はい、もちろんトライデントですね(・∀・)   動画の中にもあるように、トライデントはポセイドンの武器だったりと権威の象徴としてみなされてもきたわけで、もっと広 . . . 本文を読む
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「遊び」と勉強:ksonの南部式英語講座と、もりてつチャンネルを橋渡ししてみる

2020-04-18 12:30:13 | ことば関連
    昨日は「認知言語学と人工知能」について触れたわけだが、当然いくら翻訳機能が発達してもニュアンスを正確に伝えるものが難しいものは多々ある。   それが例えば、「さてはアンチだなオメー」を原作の煽り感そのままに表現することだったり、あるいは人間の根源的リビドーの表現だったりするわけである。   そして今回の動画は、「君のような勘のいいガキ . . . 本文を読む
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認知言語学と人工知能の開発

2020-04-17 11:10:42 | ことば関連
  「ただよび」について2回ほど紹介してきたが、そこで英語を教えている「もりてつ」こと森田鉄也のチャンネルで、彼が研究していた認知言語学の説明をしていたので紹介しておきたいと思う。   詳細は動画を見てもらうとして、こういった話題は、自分が高校生の時(1990年代)には現代文で「言語のファジーさ」というテーマで何度か見たことがあるなあと思った(「あのストーブをちょっと . . . 本文を読む
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