先日、尾瀬沼にかこつけて「腐り姫の伝説」という記事を書いたので、ついでにPCゲーム「腐り姫」のレビューも復活させてみますよと。それにしても・・・記録によればこれが最初のレビューのはずなのだが、なんでここから書き始めたのか全く意味がわかんね(あまりにもまとまりがなさすぎる)。まああえて原文を重視して手を加えてないが、それもこんなちんかすなものを平気で書いてたとか本当大丈夫なんですかね自分?という戒めを忘れないようにするためだヽ(。∀゜)ノ
[言文]
腐り姫二回目プレイを記念して。
腐り姫というゲームの特筆すべき点は数多いが、その一つが感情表現である。簡単に言うと、人の葛藤、罪、欲望といったものが、濃密に描写されるのだ[特に樹里のそれは「地獄の業火」と評しても差し支えないほど烈しい]。ここでは、主人公五樹の従姉、夏生の例を取り上げてみたい。
■罪悪感
◎五樹の事故を機に「取り返しのつかないことってあるんだ」ということに気付き、罪の意識に蓋をしておけなくなった。
◎「昔のことを思い出した五樹に嫌われたい」という気持ち
=記憶を失っている五樹に対してただ謝るだけでは済まされないほどの罪悪感
→だから思い出して欲しい
◎その想いが成就されたとき、赤い雪に。他の例と比較すると、そもそも赤い雪になること自体、彼女の罪悪感が(魂の)存在に関わるレベルのものであったとわかる。
■愛
◎思い出して欲しいと打ち明ける夏生[BGM「とがの楔」]→役所での情事[これは罪の内容と連動している]→結局記憶は戻らなかったが、思い出しても多分夏生を許すだろうという五樹。何か言いたげな夏生だが、そのまま別れる。
=蔵女によれば、夏生は「満足した」らしい。そこには、仮初のものながら五樹の赦しをもらえ、しかも嫌われずに済んだという安堵感があるのだろう[これで完全に納得してないことは夏生の別れ際の態度から明らかだが]。
◎「よかった五樹に嫌われてなくて…」[赤い雪のシーン]
■愛する、愛される資格が無いという思い
◎記憶を無くす前は、「夏生」と呼び捨てだった→面会した時、夏生自身が「夏生おねえさん」と呼ばせる。
…距離のある人称を使わせる[女ではなく「姉」として]ことで、恋愛感情の封印&自罰的行為としている[五樹に対して気持ちが残っているからこそ、距離を感じさせる呼び方は痛みを伴うものとなる]。
※夏生の五樹に対する気持ちは失われたわけではない。だからこそ、罪の清算のため「五樹の記憶の回復=嫌われる(と夏生は思っている)」という過程へ積極的に加わる夏生の苦しみ、悲愴さ、罪悪感の根深さが浮き彫りになると言えるだろう。
○身勝手な行動?
五樹の失われた記憶の中身が地獄のような内容であることを思えば、(全てではないとはいえ)自分の罪悪感のために記憶の回復を望む夏生は身勝手に映るかもしれない。確かに、それもまた彼女の「罪」となりうるだろう。ただ、私が受けた印象では、そうして罪を重ねていく過程[罪の再生産]もまた、人間という生き物の業という主張なのではないだろうか。
○悲劇のヒロインではない
夏生の罪の内容はなかなかにえげつない。少なくとも私はそう感じた。彼女は、「自分の気持ちを押し殺して五樹の記憶を優先する」というような偶像的存在ではない。しかしだからこそ、彼女の葛藤や罪の意識がより真に迫ったものとなっていると思う。
(まとめ)
このような迫真の感情表現は、全キャラクターに共通し腐り姫の世界を形作っている。ゆえに、同作品は他のゲームが及びもつかない迫力と雰囲気を持っているのだと言えよう。
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