以前、無料で大学受験用の授業動画が見れる「ただよび」について紹介した。その時は英語と古文だけだったが、いよいよ理系授業が6/8から始まるようだ。
おそらく色々水面下で動いていたのだろうが、ともあれここで数学が始まったのは大きい(今まではどうしても文系寄りになって、チャンネル登録者数の伸びがだいぶ鈍化していたからね)。まあ数学の場合はⅠA→ⅡB→Ⅲという風に内容が進むため、今年の受験という観点では間に合わせるのが難しいとは思うが・・・
ちなみにTOEIC対策も始めた模様。
考えてみれば、かつての「受験サプリ」が社会人も対象とする形でTOEIC対策なども組み込みつつ「スタディサプリ」に改名したこと、またそもそも家庭教師のトライがやっている「try it」という先行する無料の中学・高校学習用動画(どちらかと言えば定期テスト対策向け)があることを踏まえれば、この領域に進出するのは当然だろう。
むしろ、90回近くTOEIC満点を取っていてその他の英語資格も数多く取得していることも売りにしている森田鉄矢の本領発揮とすら言えるわけで、こちらもチャンネル登録者伸長という点でこれはキラーコンテンツになるはずだ。
今はチャンネルを軌道に乗せていく上でとても大変な状況だと思うが、取り組みとしては今の日本になくてはならないものだと思うので、これが広く知られていくことに期待したい(どう考えても日本のみならず世界的な不況になるわけで、「ただよび」のヘッド[笑]吉野敬介も言っていたように、予備校や塾に使うお金を節約して大学入学資金などを確保する必要のある子は増えるだろうし)。
もっとも、このコロナ禍は私が危惧するまでもなく、多くの人々に「教育システムってこのままじゃヤバくね?」という懸念を持たせたはずだ。それは鈍重な公教育の取り組みということもあるし、あるいは塾・予備校の活用ができる/できないということでの所得格差や地域間格差といった問題を浮き彫りにした。個々人の教師の気概やその資質に問題があるのではない。横並びに拘りすぎる教育システムの弊害と、それを見越して「課金ゲーム」をできる人々とのどうしようもない差が開いていっていることが問題なのである。
というわけで、この「ただよび」の取り組みが広く認知されて羽ばたくとともに、こういう取り組みが第二・第三の「ただよび」を生み出し、図体が大きくなり過ぎて身動きの取れない公教育を差し置いて人の学びを変える時代が来ることを願い、心から応援していきたいと思う次第である。
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