地獄企画に捧げるラップなのに、(夢追の歌が上手いのは言わずもがなとして)なんてスタイリッシュなメロディとエモいリリックだこと(≧▽≦)!本人の困ったちゃんな部分にも言及してただの太鼓持ちならんようにしながら、その人間力や企画力を称揚し、ママンの結婚を祝い、自分が炎上した時に色々気にかけてフォローしてもらったことを感謝しつつ、歌詞には「解釈」と「介錯」をかける遊び心も忘れることはない。出オチ的な歌かと思いきや、むしろリピートで延々聞いてしまうじゃあないか!
・・・というわけで称揚されているたまさんでありますが、その人間性と仕事ぶりがある意味よくわかるのは
「Vののり騒ぎ」だろう。これは因幡はねるが佃煮のりおの運営する「のりプロ」のメンバーのみを集めた企画だが、ここでのメンバーの動き方(最初のミュートの件)やメンバーへのフォローの仕方、メンバーからのメッセージとそれへの反応で大よその人物像とその経営手腕(方針)は十分うかがい知れるのではないだろうか(もちろん、非常にドライな見方をすれば、ホロライブとANY COLORという二強体制ができつつあるVtuber業界において、それに次ぐポジションとしての774.incのトップライバーとのりプロメンバーが大々的にコラボする、という動きは一種の「合従策」と捉えることもできる)。
この内容から改めて感じるのは、犬山たまきは(きちんと必要なものを分析はして上で)やはり「凡事徹底」の人なのだな、ということだ(これについては以前「犬山たまきはなぜ躍進できたのか」という記事で触れた。ちなみに、努力をただすればよいものではない、という意味で「99%の努力も1%のひらめきがなければ無駄である」のも事実だけどね)。犬山たまき自身はおおむね「当たり前のことをやっているだけでそんなに褒められることでは・・・でもまあVtuber業界ってちょっとその辺ルーズな人が多いから(苦笑)」といった反応をしているが、仕事をしている人は特にわかる通り、「凡事徹底」を継続的にやり続けることは実は非常に難しいことである。まして、それが自分一人だけのことではなく、管理職や経営者として多くの人間を巻き込む場合はなおさらである・・・
てなわけで最後に信長に関する動画を一本ご紹介。
内容をまとめると、「信長の強みとは、現実的な合理主義者である上に凡事徹底ができており、そこに強運が重なった」というところだろうか(ちなみに「強運」は「んなアホ」なと思うかもしれないが、前線に立ち続けながら瀕死の重症を負うこともなく勝利し続けたアレクサンドロス、一方でムガル朝を亡ぼすほどの勢いで領土を拡大しながら戦闘中の事故で死亡した名君シェール=シャー→スール朝は急速に解体し、ムガル朝が勢いを盛り返す・・・といった様々な事例を見れば、あながちこの要素を軽んじることはできない)。
もちろん、これが反論の余地がない最終解などと言うつもりはないが(領国の位置に関する話は出ているが、それについては尾張の豊かさ=資金力が彼の軍事行動を支えことも指摘できるだろう)、これまであった「新しい時代の礎を築いたのだから革命児のはずだ」ということで様々なる意匠によって脚色されてきた信長像が、一次史料を元に再構成すると非常に保守的で現実主義的な性質によって塗り替えられ、むしろ凡事徹底によってのし上がった人物だという結論になるのは興味深い(ただしそれを成し遂げるには、ブラック企業も真っ青のレベルで働きまくらねばならなかったことも付言しておく必要はあるが・・・)。
え、凡事徹底の件はわかったけど信長と犬山たまきを並べるのはさすがにおかしいだろうって?いやそれはアナタかつてはVtuberに織田信ゲフンゲフン・・・ま、まあ年商1億円の人ってのは天下人には及ばないにしても、レアな存在ではあるでしょうよと述べつつ、そんな二人が凡事徹底でスターダムにのし上がったらしいことを改めて強調しつつ、この稿を終えたい。
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