「ビジネスマナー大喜利」を読んで大いに笑わせてもらった。
以下一部引用。
(事例)PCの「シャットダウン」→「絶って落とす」だから取引先との関係断絶を連想させるのでダメ。
(解決策)電源ボタンを長押しして電源を切ろう
(事例)高解像度データは「後悔」を連想させるためマナー違反
(解決策)低解像度で送りましょう。
思わずニヤリとしたり、ゲラゲラ笑ってしまうものばかり。なぜそういう反応が起きるかと言うと、こういう「下らない連想ゲームをルール化したもの」が日常にも溢れていて、またそれと同じくらい(?)謎の暗黙知が存在しているからだ。で、由来を知ると納得するケースもなくはないが、由来を知ったら逆に「だったらそれ今守る意味なくね?」と思ったりするわけである。
たとえば、気をつけをする際には手を前で交差させるケースがあるが、その時に利き腕を下にするのは刀を抜く意思がないことを示すため、とか。一体今は何時代なんだろうかwまあビジネスの世界はゴルゴ13のようなもので、利き腕を預けないとか壁を背にするとか色々大変てことなのだろうwまたビジネスシーンではないが、病室に植木鉢を持っていくのは病気が「根付く」を連想させるのでダメとか。そのネガティブな精神性の方が病気の原因だよ!と声を大にして言いたいw
ともあれ、そのような違和感やアホらしさを、解決策のバカバカしさで見事に表明しているエスプリが最高なのである。
では私も僭越ながら一つ例を出そう。
「取引先などと会う時に名刺を渡していませんか?名刺の「名」は「迷」を連想させ、相手が交渉に値するかどうか迷うという意味になってしまうため取引先・顧客に失礼となり、ビジネスマナー違反です。相手に名刺を要求されても必ず固辞しましょう。」
これであなたも、明日から社会の迷い子確定である(゚∀゚)アヒャ
単に笑うだけだと何なので一応書いておくと、面倒なのはこういうルールってあまねく世界にあるので完全な合理化は難しいってことだ(行動経済学じゃないが、そもそも人間てのは「論理的」に非合理的行動をするので)。典型的なのは日本の4・9の忌避が典型的で、正直他の国では気にされてないのに大きな問題が起こってない時点でそれただの思い込みやんと思うのだが(たとえば4・9の番号のついた部屋は多くの国で事故・自殺が起こる確率が高く、ゆえに4・9の番号を使わないのは合理的である、といった統計データでもあれば別ですがね。ちなみに逆パターンで13とか666もある)。ただ、その数字が忌避される社会だと、部屋の稼働率が下がって合理的ではない可能性があるので、バカバカしいと思いつつ利益のためにそれを避ける、という部分もあるだろう(慣習を「心の習慣」と「合理的適応」に分けるなら、後者の対応ということ)。
にもかかわらずビジネスマナーがネタになる理由は、企業という利益を出すため合理的振る舞いを要求される場でも、しばしば非合理的・非自明なルールがまかり取っているというギャップが(ブラックな意味で)おもしろいからではないか、と述べつつこの稿を終えたい。
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