※以下うみねこのネタバレになります。未プレイの人は読まないことをお勧めします。
さて前回は「何を推理するのか?」について書き、「推理」という言葉に踊らされないよう注意する必要があることを指摘した。今回は、本編中で不思議に思ったことを主に挙げていくことにしたい。なお、魔女がらみのことばかり扱うので、あいまいで今一つ具体性に欠ける内容になってしまったことを断っておく(事件そのものの考察は次回)。また、カタカナ名で代用できる人々は蔵臼=クラウスと全てカタカナで表記するのでご了承いただきたい。
<持ち越された謎>
まず今回はEpisode1ということで、意味ありげに表れた割に触れられない謎もあった。現段階であまり考え込んでも答えは出なそうだ。もっとも、最後の碑文の謎は考えざるをえないけれども。
○去年の事件
船で島に渡るとき、鳥居が消えた話に関連して「去年あんなことが…」熊沢が話しかけるが、ジェシカが遮るということがあった。
○階段から落ちた使用人
上の話と絡めるのはあまりに危険だが、さしあたりこれも館で起きた事件ではあろう。理由は魔女を信じなかったからだという。もし人為で考えれば、魔女を信じさせたい者の仕業ということになる。
○碑文の謎解き
ティーパーティーでも出てきたが、本編では実質ノータッチに近い。台風によって島が孤立している状況においてあの碑文の謎を時間制限つきで解かなければならないこと、そしてもし魔女が人を殺す口実かなにかではなくあくまで人間への挑戦として碑文の謎を解けと言っているのであれば、碑文中の川は神奈川云々という実際の地理に基づくものと言うより、何か象徴的な表現と考えられる。祟編の詩にある「井戸」が雛身沢、もしくは自分の世界であったようにだ。もっとも、以上の考察からわかる通りあまりに多くの仮定が必要であり、もっと着実に積み上げられる部分を探していった方が懸命だろう。
※碑文の解読はFredericaの詩を紐解こうとしたプレイヤー達の営為を連想させる。
<最後の手紙の意味>…暴いて欲しいのは誰、そして何?
まず、マリアが手紙を送る意味がわからない。
というのも、マリアは魔女が犯人だと知っていた(もしくは信じていた)わけで、さらに言えば黄金郷に到れることさえも信じていたからだ。つまり「不本意ながら信じる以外なかった」可能性もありえる慎治やジェシカたちとさえ違う。彼らなら「魔女の利子回収より前に碑文の謎を…」という意味合いで「真相を暴」いてほしいと言うかもしれないが、信じるマリアにとって利子回収の先には黄金郷が開けており、ゆえに碑文の謎すら解く必要がないのだ。
にもかかわず「真相を暴く」なんて言い回しが出てくるから謎なのだ。戦人が信じないとわかったからか(信じないなら黄金郷に到れないということであれば、結局は碑文の謎を解いてもらうしか悲劇を回避する手段はない)、あるいは魔女から手渡された手紙と同じように、事件を世間に知らしめる、つまりメッセンジャーの役割を背負わされただけか?謎は深まるばかりだ。マリアの「二重人格」も絡めて考えていく必要があるだろう。
以上は魔女の仕業で考えた場合の話だが、他の最もありそうな可能性は「犯人が魔女ではなかったから」だろう。もっとも、手紙を書く余地、それを海に流す余地がどうしてあったかなど謎が多すぎるが。思いつく可能性の一つは「ラストで戦人が発狂⇒他惨殺(by夏紀の銃?)⇒マリア逃げる⇒祟編的構図⇒殺されるマリア⇒魔女の森に入って帰らない(行方不明)の戦人」なんて構図だが、これだとやはり「真相を暴く」という表現の持つ「自分がなぜ、誰に殺されるかもわからない」というような強烈な違和感・疑問には繋がらないように思える(鬼編で同じ事を書いた圭一がどのような状況にいたかを想起)。この問題はいずれまた扱うことにしよう。
<魔女の存在>
うみねこが第三者的視点で展開されるため、ひぐらしの症候群的な発想(幻覚・一人相撲)は困難である。しかし、信じれば「い」る、というのはいかにも集団幻想的な発想である。この部分にも安易に答えは出ないだろうが、さしあたって第三者視点だからこそ時折一人称になる時の描写には気をつける必要があるのでは、とだけ書いておく。(ex)プレイヤーが最後に金蔵を見るのは夏紀の一人称視点である
最後に。
実際には「~晩」という表現が~日目を意味しないなど、根本的な部分からわからないことが多い。まあそれらに深入りし過ぎないようにしつつ、事件の違和感などを次回は考えてみることにしよう。
さて前回は「何を推理するのか?」について書き、「推理」という言葉に踊らされないよう注意する必要があることを指摘した。今回は、本編中で不思議に思ったことを主に挙げていくことにしたい。なお、魔女がらみのことばかり扱うので、あいまいで今一つ具体性に欠ける内容になってしまったことを断っておく(事件そのものの考察は次回)。また、カタカナ名で代用できる人々は蔵臼=クラウスと全てカタカナで表記するのでご了承いただきたい。
<持ち越された謎>
まず今回はEpisode1ということで、意味ありげに表れた割に触れられない謎もあった。現段階であまり考え込んでも答えは出なそうだ。もっとも、最後の碑文の謎は考えざるをえないけれども。
○去年の事件
船で島に渡るとき、鳥居が消えた話に関連して「去年あんなことが…」熊沢が話しかけるが、ジェシカが遮るということがあった。
○階段から落ちた使用人
上の話と絡めるのはあまりに危険だが、さしあたりこれも館で起きた事件ではあろう。理由は魔女を信じなかったからだという。もし人為で考えれば、魔女を信じさせたい者の仕業ということになる。
○碑文の謎解き
ティーパーティーでも出てきたが、本編では実質ノータッチに近い。台風によって島が孤立している状況においてあの碑文の謎を時間制限つきで解かなければならないこと、そしてもし魔女が人を殺す口実かなにかではなくあくまで人間への挑戦として碑文の謎を解けと言っているのであれば、碑文中の川は神奈川云々という実際の地理に基づくものと言うより、何か象徴的な表現と考えられる。祟編の詩にある「井戸」が雛身沢、もしくは自分の世界であったようにだ。もっとも、以上の考察からわかる通りあまりに多くの仮定が必要であり、もっと着実に積み上げられる部分を探していった方が懸命だろう。
※碑文の解読はFredericaの詩を紐解こうとしたプレイヤー達の営為を連想させる。
<最後の手紙の意味>…暴いて欲しいのは誰、そして何?
まず、マリアが手紙を送る意味がわからない。
というのも、マリアは魔女が犯人だと知っていた(もしくは信じていた)わけで、さらに言えば黄金郷に到れることさえも信じていたからだ。つまり「不本意ながら信じる以外なかった」可能性もありえる慎治やジェシカたちとさえ違う。彼らなら「魔女の利子回収より前に碑文の謎を…」という意味合いで「真相を暴」いてほしいと言うかもしれないが、信じるマリアにとって利子回収の先には黄金郷が開けており、ゆえに碑文の謎すら解く必要がないのだ。
にもかかわず「真相を暴く」なんて言い回しが出てくるから謎なのだ。戦人が信じないとわかったからか(信じないなら黄金郷に到れないということであれば、結局は碑文の謎を解いてもらうしか悲劇を回避する手段はない)、あるいは魔女から手渡された手紙と同じように、事件を世間に知らしめる、つまりメッセンジャーの役割を背負わされただけか?謎は深まるばかりだ。マリアの「二重人格」も絡めて考えていく必要があるだろう。
以上は魔女の仕業で考えた場合の話だが、他の最もありそうな可能性は「犯人が魔女ではなかったから」だろう。もっとも、手紙を書く余地、それを海に流す余地がどうしてあったかなど謎が多すぎるが。思いつく可能性の一つは「ラストで戦人が発狂⇒他惨殺(by夏紀の銃?)⇒マリア逃げる⇒祟編的構図⇒殺されるマリア⇒魔女の森に入って帰らない(行方不明)の戦人」なんて構図だが、これだとやはり「真相を暴く」という表現の持つ「自分がなぜ、誰に殺されるかもわからない」というような強烈な違和感・疑問には繋がらないように思える(鬼編で同じ事を書いた圭一がどのような状況にいたかを想起)。この問題はいずれまた扱うことにしよう。
<魔女の存在>
うみねこが第三者的視点で展開されるため、ひぐらしの症候群的な発想(幻覚・一人相撲)は困難である。しかし、信じれば「い」る、というのはいかにも集団幻想的な発想である。この部分にも安易に答えは出ないだろうが、さしあたって第三者視点だからこそ時折一人称になる時の描写には気をつける必要があるのでは、とだけ書いておく。(ex)プレイヤーが最後に金蔵を見るのは夏紀の一人称視点である
最後に。
実際には「~晩」という表現が~日目を意味しないなど、根本的な部分からわからないことが多い。まあそれらに深入りし過ぎないようにしつつ、事件の違和感などを次回は考えてみることにしよう。
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