うみねこ:ep1/2における南条と熊沢の奇妙な類似点

2008-01-16 19:00:27 | ゲームよろず
ep1とep2を重ねて見ると、非常に多くの類似性や相違点を発見できる。例えば前回の記事で書いたように、「偶然選ばれた」と言われる最初の生贄の六人だが、実際にはクラウス、ルドルフ、霧江、そして夏紀の四人という実に過半数が共通しているし、特に夏紀はep1で狙われながら死を免れたという描写がわざわざなされているため、単純に偶然だと考えるのは難しい。


このような共通性は脇役の南条と熊沢にもあるのだが、それは杭を打たれる部位が共通していることに他ならない。ep1では源次とセットで殺された二人だが、ep2では偽カノンに首を切られて殺害されている。ここで興味深いのは、二人の死体がわざわざ移動されたことである。その意図としては

1.死体の移動によって生存者たちの疑心暗鬼を煽る。
2.杭を打つため

の二つが推測されるが、1は魔女は手紙で「二人の死体を借りる」と明言しているため、単なる結果論であって意図していないように思える。とすれば重要なのは2つめだ。これはTIPSの南条・熊沢の「仕上げが残っている」という文言を反映したものであるが、杭を打つシーンの描写を記憶している人には奇妙な話に聞こえるだろう。というのも、その描写を信じる限りでは、杭を打つのは一瞬でできるのであって、無人の使用人室でそれを行うのにわざわざ死体を移動する必要などないからだ。とすると、二つの可能性(必然性)が考えられる。

(A)そもそも杭を打つ描写が現実を反映していない≒バトラの見ている[?]幻覚
(B)南条と熊沢にはこの段階で杭を打つことができない

(A)は第三者視点の問題を再度指摘するだけにとどめておき、(B)について話そう。さて、南条と熊沢があの段階では杭を打てず、ジョージたちの後でなら無造作に死体をさらしてもいいというのは一体どういうことなのだろうか(※)?もしバトラたちが駆けつけた時に死体がある場合、杭の打たれている部位は(碑文の順番に従えば)「頭」と「胸」でなくてはならない。だとすれば、わざわざ死体を移動したのは死体を見せないで済むように、つまり杭を打たなくて済むようにだと考えられる。


死体を見せないでおけば、他の部位に杭を打つことは問題ないらしい。周知のように、ジョージたちの後で死体が発見されたとき、南条は「膝」、熊沢は「足」に杭を打たれていたからだ。その部位はep1と共通しているわけだが、死体を移動してまでわざわざその部位に打ったことを考えるなら、少なくとも南条と熊沢に関しては「打つべき部位≒殺す順番が決まっていた」と結論していいだろう(※2)。これが何を意味するかはまだわからない(※3)。前述のクラウスらの殺される順番が(現段階では)共通していることも含めて考えていく必要があるだろう。


余談だが、ep3以降では杭をつかった殺害順番の偽装も想定しておかなければなるまい

※2
とすれば、偽カノンが二人を殺してしまったのはイレギュラーだったと言える。偽カノンをわざわざ使ったのは魔女の遊び(=最善手ではない)と見ていいだろう。また、熊沢の足に打たれた杭が取れかかっていたのは、「儀式」の不完全性を象徴しているようにも思える。それは急いでいたことを意味しているのか、それとも魔法の不完全さ、ないしは虚構性を示しているのか……謎である。

※3
南条を打ち抜いたのは「ヴェルフェゴール」、熊沢を打ち抜いたのは「レヴィアタン」。前者は「怠惰」「好色」「女性不信」、後者は「大嘘つき」といった特徴を持つらしいが、はてさてどこまで意味があるのやら…

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